ほろしぐれ

Midas2008-11-05

ハロウィンが終わったと思ってたら、もう花屋の
店先では、3mほどの白木を組み合わせた円錐へ
葉っぱをまきつけたりしてるのである。



Yさんがお亡くなりになったとかで、通夜へいく。
ひと頃は顔を拝まない夜はないという感じだった。
最後に話したのは数年まえになる。
90年代の初めまでは、アパレル業をしてらした。
その関係のひとたちが多かった。見知ってるのも
いくらかいた。私みたいなのはごくわずかだった。
Mにあった。
くるぶし丈のバルーンスカートワンピースだった。
せめて膝上5cm程度にあげ、全体の黒もそんな
くすんだ黒でなく光沢のある、たとえばシャネル
バッグのような黒。にすべきなのではなかろうか。
とつかのま、思いはしたのだが、何たって最近は
鷹揚な人間で通ってるのだし、だいたいからし
向こうは服飾のプロだ。ボンクラが意見するのも
スジちがい。



きてるだろうなとは読んでた。
しかしそこまで、近づいてこなくてもいいのでは。
手をのばせばとどくような距離の、スモーキング
スタンド横に立ち、灰吹きをJPSで叩いてる。
目はなんどもあってるのだが、逸らしてきたりは
やっぱり、しない。
たびたび地面を見つめるのもあきたので
「(昨日連絡があってこの件を知るに至りました。
本来でしたらばわたくしが遠慮して身をひくべき
だとは重々考えはしたのですが)本日は厄払いの
つもりでまいりました」
こえかける。わりと間髪いれず
「厄おとし。でしょ。?」
返される。



日ごろのね。そう続けるつもりだった。のだけど
5歳とし上だったのを忘れてた。
ほぼ12ねんぶりだった。
早めに帰る。ひと段落してまた出る。午前3時半
たった10数秒だけフロントウィンドウが濡れる。
朝の天気予報で言うだろうか、と思う。灰を噛む
とはきっと、こんなこと言うのだろうな、とも。
7年まえ、どれほど大人だったかなんてとっくに
忘れてしまってる。