七夕の日に

ふと思いたって夜空を見上げて以来、天気予報が
気になってばかりいる。
考えてみれば、こんなことするのは、初めてだ。
物置きに、誰だったかが景品か何かで貰ってきて
まんまになってる望遠鏡と三脚のセットがあった。
ちょうど今くらいの深夜になると、ベランダ正面
こないだBSアンテナのため切り落したカラ松の
上あたりに月がのぼる。
満月のころの月は、静かで明るく岩の塊そのもの
まさに物体で、それがただ、浮かんでるのだから
よけいに現実感がない。
クレーターの影までわかる望遠鏡と、常日ごろの
黄色いあれが、こんなに違うとは迂闊だった。
もっとはやく見てればよかった。
目をそむけたくなるようなものばかりが増えた。
レンズを見つめながら思ってた。
やがて鳥たちが鳴きはじめて、足もとを確かめる
ように散歩へでかける。
途中で野いちごをつんだりする。
今年は春が不順だったせいか2週間ほど遅れてる。