元祖エヴァンゲリヨン

ニーベルングの指輪」にも、巨人族は登場する。
しかし彼らは、あくまでも絶滅しかけた旧人類だ。
騙されて城を建設し、兄弟で殺しあい、森の中で
大蛇に姿を換え、騎士を待つ。
つまりどこかで、イメージの転換がなされたのだ。
森の民が怪物のかたちをとって、都会へあらわれ
家々をなぎ倒し、人間に恐怖をあたえる。
正反対のベクトルだ。
おそらくはこの地点へ最初に到達したのが同じく
ドイツ、ベルリン、1910年の、ハイムだった。
彼の描く魔神は、巨大・ロボットアニメの悪夢だ。
ゆらゆらとあてどなく街をさまよい、人の群れに
手をつっこみ、天空へ向け叫ぶ。
これは半世紀以上、時代をさきどりしてる。