イワタケとオニグルミの玉子炒め

Midas2008-04-11


30時間ふり続いた雨もあがり、午前中はずっと
ベッドの中から、青空に流れる雲を、ながめてた。
ときどき、目が疲れると「アナバシス」を読んだ。
クセノポンは、コンビニで新作食玩をチェックし
ファミレスで季節のデザートを注文できる、史上
初の現代人である。
同時代の大勢が、難解な形而上の問題で悩んでた
まっただ中に、まるでタレント本みたく軽やかな
「ソクラーテスの思い出」
そして「アナバシス」を残した。



「アナバシス」が諸々の戦記群に比べ、圧倒的に
勝れてるのは、これが堂々たる負け戦の記録だと
いう点にある。
知ってるはずなのに、うっかり口に出せない真実。
勝利など、簡単なこと。弱い相手を、選べばいい。
それだけの話。ひとは何回でも、勝てるのである。
しかし負けれるのはふつう1どきりだ。
勝利の理屈や手段、方法を語る者には事欠かない。
どこまでいっても、それらは凡庸なのだ。だから
いかにして負けれるのか、を学ばねばならない。
なぜならば全く同時に、我々は負け続けてるとも
いえるからである。
どうも人間関係がうまくいかなかったりお財布を
落としたりなにかと期待はずれだったりする。
実は日本は負けてなかったんですよとかあなたも
こうすれば成功できる。
みたいな話はほんとに下らないと思う。



5分も歩かないとこに断崖絶壁があって、そこへ
イワタケをとりにいく。
雨上がりの、まだ岩肌の濡れてるうちに採るのが
基本なのである。
イワタケは珍しい植物で、コケとキノコが1つに
共生してる。清廉なとこでしか育たない。成長が
きわめて遅く、それゆえに不老長寿を願う宴席へ
だされたりする。




イワタケとオニグルミの玉子炒め


(1)とってきたイワタケを水でもみ洗う。何ども
水をかえ、コケの部分をおとす。石つき、も取る
(2)オニグルミを水にひたし、魚やく網であぶる
すると合わさってるあたりが、どこかゆるくなる
ヴィクトリノックスの刃を刺しいれ、こじ開ける
オニグルミは野生種ゆえ、クルミ割りでは無理
(3)イワタケを適当に下ゆで、水でさらし、よく
水をきる。ちからいれ握るような感じ。もどした
キクラゲみたくなる
(4)昨日の浅葱と生姜を刻んでおく。玉子わって
塩いれとく
(5)ゴマ油に唐辛子いれ熱する。砕いたクルミ
投入。超強火
(6)残りの材料をいれ、なるべく速くひきあげる