フキノトウのパスタ

Midas2008-04-10


ちょっとまえから、どこへ行って、なにを見ても
動物園のクジャクがその羽根をひろげ、美しさを
競ってるようにしか感じれなくなってしまってた。
どす黒く変色した足元のコンクリートへ、時たま
みどりに光る矢をふりまきながら。
夜中、散歩へでかけ移転後のハンバーガーインが
1年もたたずに、消滅してるのに気がついたのも
ショックだった。
ここまでの展開の速さは、これまでなかった。
街が死んでくように、手がかりを失ってく。
そんなふうに思いこんでた。



半日かけ、ニトログリセリンを運ぶように東京を
離れ、昼すぎにローカル線の、駅までやってきた。
駅舎では、石油ストーブを焚いている。
1時間ほど手をかざし、単線の高原列車にのって
海から1キロ上へ昇ってくる途中、あぜみちまで
雪溶け水が、あふれそうになってるのを目にして
とりもどせた気がしていた。



駅まえに停めっぱなしになってるジムニーの埃を
はらい、ボンネットを開け、バッテリーをつなぎ
カラマツと白樺の間をぬい、ゴルフコースの門へ。
「只今休業中」と札が下がってる。
チェーン錠あけ、7番ホールわきの水源地。
井戸の電源をいれ、初水をくみあげる。



周囲5キロはだれもおらず、これ幸いと昔やいた
プログレッシブハウスのCDRを聞きなおしたり
うろうろそのへんを歩きまわって、鹿のつがいに
出くわし、けげんそうに見つめられたりしてる。
林の中はまだ冬だ。
1面モノクロームな景色から、フキノトウだけが
顔だしてる。
ここで2どめの春を迎えるつもり。




フキノトウのパスタ


(1)散歩いってフキノトウつんでくる。地面から
でるか出ないか、みたいなのだけ摘む。つんだら
すぐ劣化するので走って帰り、洗っとく
(2)鍋に牛乳いれて、オレガノ、ディルウィード
ローズマリータラゴン。沸かしてとめバターを
ひとかけ。塩。冷ましとく。牛乳は3センチほど
(3)下の畑で貰ってきた、浅葱みたいなのを刻む。
同じくジャガ芋も半分、2ミリ厚くらいにきる
(4)パルメザンおろす
(5)パスタゆでる
(6)牛乳を超弱火に。シーチキン油きって入れる
(7)パスタ鍋へジャガ芋なげる
(8)牛乳へフキノトウいれ、ガーリックオリーブ
オイル少々まわしかける
(9)パスタゆであがったら牛乳の中でまぜ、皿に。
浅葱とチーズふる