SFと消費文化

録画しといたETV特集を、ようやく見る。
それとなく仄めかされてるが、どうにも抜けてる
ところが気になってしかたない。
ビオレイ・カザレスは、作家となったきっかけを
問われ、親戚の経営するヨーグルト会社の広告を
書くアルバイトだったと、答えてる。
擬似科学文章」
と述べてるのだ。すなわち
「毎あさ食べてれば癌も治ります」
のたぐいだ。空想科学と、大量消費社会に於ける
広告には親和せいがある。日本で事実上、最初の
SF作家が製薬会社の経営者であり、処女作品が
短編小説というより広告の構造をもってることや
ウルトラQのスポンサーがどこだったか等に想いを馳せる時、文芸ジャンル
としてのSFは、広告のスピンオフとすらいえる。
番組にでてたADが語ってるように
「ゼロからはじまった」
ものでは決してないのだ。
今や科学てきに歴史を検証したり、まんじゅうの
製造日だとしてスタンプを押されるのが、他でも
ない未来そのものだったりする。
未来予想は、計画経済と区別がつかなくなった。
その証拠に、ある種の逆SFとでもいったらいい
映画「三丁目の夕日
におけるパラレルワールドでは、広告代理店様の
おかげで、石油ショックはおろか、プラザ合意
すらもきれいさっぱり、文化クレンジングされて
なかったことになってる牧歌てきな庶民の幸福が
高らかにうたわれてるのである。