DEEP LOVE アユのお婆さん

金王神社につたわる白鳥神話によれば、渋谷区内
には童貞が1万人、処女が12人いるとされてる。
かたや、現代人の恐怖のマトといったら、妻子も
仕事もあるにもかかわらず、目についた女を車に
乗せ、凌辱のかぎりをつくしたあげく、10ヵ月
待てない、甲斐性なしどもである。
刑務所に入れても、ぜんぜん反省しないらしい。
どの文明国でも悩みのタネだという。
晒し者にしたり、薬づけにしたり。
だが、どれも本質てきな解決とはいいがたい。
ひとはこれをもって「性犯罪の再犯率」と呼ぶ。
しかし性とは反復なのだ。
その生涯において満ちたりた、たった1夜の経験
しかない硬派や淑女の数は童貞や処女に比べると
不幸にも少ないのが現状だ。
つまりヤリマンのアユとあのお婆さんは、対立の
技法によってむすびつけられたがゆえ、名コンビ
なのである。
お婆さんだけが再犯率の増加を憂い、必要ならば
石を投げれる。と言っていいくらいだ。
さらには、このファシスト国家において犯罪とは
なにか?を問わねばならない。
体制の根幹をゆるがすものだけが犯罪なのだ。
要は、爆弾マニアの連帯である。
残りは殺人、泥棒、猥褻の類であっても、ケチな
利益を調整してるか病気かの、どちらかなのだ。
前者は過失、後者はアウトカーストにすぎない。
とはいうものの、性とは、ある種、限界をこえて
腰を振ったりする経験に根差してるのもたしかだ。
どっから先が病気とするかも、あいまいである。