世界大戦はじまる

昨日なげたブックマーク・コメントを追っかける


映画「デビルマソ」を今、ジャストで見終わった
ばかりの親子を、想像していただきたい。
こども
「おかあさん…オレっちなんであんなクソ映画を
わざわざみるハメになったのか、わからんすよ。
それにあのシレーヌ役の、どこがデルモなのさ?
エビちゃんとちがって、でかいだけじゃんか」
ママ
「おだまり。あの映画が退屈なのには高尚な訳が
あるの。作者はその身をもって現代生活が退屈だ
という事実を表現してるから作品も退屈なのよ」
こども
「えー!!」
みたいな悪趣味な読解は、市民社会の産物である。
そんなに古くもないがべつに最新型でもない。
世界遺産でいうとコルビジェくらい。めいっぱい
さかのぼっても、ちびくろサンボが限界だ。
ようは「モダン」な解釈なのである。



ひるがえって80年代てきなもの。
正確にはプラザ合意から、ハルマゲドンにいたる
10年を総称して「ポストモダン」とよぶ。
モダンな解釈とは、そもそもポストモダンが忌み
嫌い、脱ぎ捨てようとしてた古い殻であった。
これをもってして、読解の基準点にせんと試みる
こと自体、ポストモダンの凋落をしめしてる。
このひとたちは善意でもって、賞賛をあらわそう
としながら、かえって貶めてる。それが
「ほめてますよね?」
ムダな深読みへみちびいてる。
いやがってるコスプレを、強要してるようなもん
である。
このように、時代考証が正確に、できなくなって
くだらん思い出ばなし/印象論の類が、あたかも
真実のごとく、ハバきかせはじめるタイミングを
骨董用語では「つちがついた」という。
中古車でいうと20年目くらいから。だんだんと
部品が揃わなくなったり、新車のフィーリングを
おぼえてる職人がいなくなったりして、きっちり
直すのが難しくなるのだ。




世界大戦ゴングなる


「世界中で、みんなして、持ってもいないお金を
つかっちゃったんじゃないですか?」
BBCのアナウンサーが、中継先にむかって鋭く
コメントをなげてた。イケズでかっこよかった。
画面左の経済学者らしきも、反論できてなかった。
2001年9月14日いらいの、大規模介入だと。
グローバルVSアメリ
これまで市場をあいてに国家が勝ったためしなし。
とはいうものの、今回はタイやアルゼンチンじゃ
なくて、ナンバー1プレーヤーだ。
紙クズみたく、いくらでもお札を刷れるんだから
もってもなかったけど、つかっちゃったお金との
バトルのゆくえに注目してきたい。
CNBCによると、昨日だけで3回、介入した。
「よって現在ダウの数字は、経済の実態とは全く
カンケーありません」
と、くちがすべってた。
いくら下がったかも数字そのものも何の参考にも
ならないらしいのだ。



リスクを回避しよう、回避しようとアタマのいい
ひとがよってたかって懸命に、たちまわった結果
リスクがなんだか、だれにもわからなくなった。
どこに金があるのか、考えもしないのがホントの
金持ちなように、リスクもかぎりなく消えてった。
結果ろんでは大成功だったはずなのに。
なにかじゃなく、なんに怯えてるのかわからない
から怖い。という、シェイクスピアのアレがきた
のだ。
「職業:自宅警備員でも作れる○○カード!」
2ちゃんにスレが頻繁に立ってたのが、1年半前。
どうやらあんま信用しちゃいけない人をぽんぽん
信じたおかげで、みんなが信用をなくしてしまい
そうなのだという。
バーとかへでかけると、ろくすっぽなんも知らん
くせに、やたら大グチたたいたり絡んでくるやつ
ふえたなぁ…と思ってたのだが、あれは時代の仔
だったのか。
しかし信用の大安売りや人格のそこあげができた
のは、ネットがハードルをさげたからでもある。
DER ANGRIFFだって、たしかに1時期
おもしろかった。
それがちょっと、毒ガスいちみだとバレた瞬間に
あのざま。
「信用の収縮」
経済面だけにかぎらないと思う。
なにを言っても、いきなり明日から、それまでの
1/10くらいしか信じてもらえなくなるような
時代が、こんどの戦後として、やってくるのだ。