公園できいた話

タバコはずっと、KENTである。4日はもつ。
都会の真ん中でも、どこもかしこもがんじがらめ
ということはない。かならず、抜けみちを歩ける。
センター街とちがって、このへんはショバ代とか
うるさくない。おまわりもなんにも言ってこない
よ。
XXへ流れてきて、2年くらいになる(ややワニ
大きめなラコステのパーカー〔紺色〕、プーマの
スニーカー、ワイドジーンズ)。
夜のあいだに雨が降りやんだら、明るくなる前に
散歩へでかける。
駅からあるていど、離れてるほうへいく。
たくさん傘がひろえる。
ここんとこ(公園から見おろす)の交差点へ見世
ひろげる。
折りたたみの椅子へこしかけて、商売道具さして
まつ。
ぱらついてくるのより、ひと足もふたあしも先に
音頭をとってるようでなければならない。道ゆく
だれよりも早く、ひらいておく。
こっちの顔がみれないくらいが、ちょうどいい。
あまつぶの落ちてくる手ごたえを感じたら10分
以内に、数十本単位でさばける。
夕方から、しとしとくる日が1番。
ビニール傘で、そこそこキレイなのは200円。
それほどでもなければ150円。
ふつうのは300円で売る。
近所のひとで、入荷するたびに5本まとめ買って
くれるお客さんが、3人いる。
あまり遅くなると降ってきても小走りにぬけてく
だけである。この時期だと7時すぎたらやめる。



昼ごろから空を見あげてて、だんだん曇ってきて
あたりが暗くなると、わくわくしてくる。
なんたって、雲かぞえてるのが、いちばん楽しい。