レスボスのいづみ

いつもの散歩コース、途中(徒歩15分)にある
レズ専ハッテン場にて大ばくはつ。
レスボスをつかさどるのは、地下深くに潜んでる
母権制の女神。
こりゃカップリングがまずかったか。まるで爆発
して、その崇高なるお姿を顕してくれ。といわん
ばかり。
などという意地の悪い構造主義な神話作用よりも
さきに、ファミリー劇場で7月22日放送予定の
「怪獣ひとり旅」が気になってしまう。
たぶんとばないだろうし、せめてTVの前に正座
して見ようと誓う。
ボードレールってレベルの話じゃねぇーぞと思う。
昨今では人生は円谷プロの手になるたった1行の
設定メモ書きより薄っぺらいのだ。
この大衆文化、ポップカルチャーと誤って呼ばれ
てる中世において、われわれが目撃してるものと
は、文字通り神が人々を食べてってる姿である。


亡くなった娘さんの通夜をニュースでやってた。
「なんでこんなめにあわなくては…」
と、お父さんがいつもの感じだった。
なんでって。あの立地でしょ。
マスコミじゃ、あいかわらず
「こんな高級住宅街の目と鼻の先で!」
くらいの話しかしてないけど。
ようするに金の匂いにひかれて造ったんでしょ。
ITだかなんだかの成金からいっぱつ巻き上げん
と、古くからの周辺住民の反対を押し切って。
自動販売機を置く。くらいの気楽なひたむきさで。


1年くらいまえだったと思う。
さてコーヒーでもいれるかな。こないだ貰った豆
まだ残ってたはず…と台所へ入ってった。
野菜カゴの上に、みなれぬカップヌードルの類が
ぽつんとひとつ、乗っかってる。
どうしたのかと訊ねると、駅前の酒屋だか雑貨屋
だかが変身してできたコンビニで、買ったのだと
いう。
この手のものを蛇蝎のごとく嫌ってたはずなのに
いったいどうした風のふきまわしってやつですか
ね?
重ねてきいた。
なんでも、たまたまランチタイムだったらしくて
お向かいにある、リフレクソロジーのお嬢さんが
制服のまま、きてた。
ためつすがめつ、5分くらい悩んだすえに彼女が
レジにもってったのが、まさしくここにあるのと
同じ物体である。あたしはずっと横目で気づかれ
ないようにしてみてたんだから。であるからし
まちがいなくこれはこの手にしては美味しいもの
にちがいない。なぜならば…
あーそれはちがうと思いますよおかあさん。
すくなくともこのへんじゃもうぜんぜんそういう
はなしになってないです。
タクシーがいっぱい停まってる食堂は、味がいい
なんてのは前世紀の伝説でして。